カオスとカーストの国インド
カースト最下位の村からいかに這い上がって中産階級以上までに登りつめることができたのか。そして、この若い主人公のみなぎる生命力・・・
一気に見ることができるの2時間のサクセスストーリー。監督はイラン系米国人。
米国的価値観の崩壊。茶色と黄色の時代を謳歌するインドの若きエンタープラナー。
この映画にはいろいろなインド人とその階層が出てくる。
カースト最下層の主人公、その村人、そのファミリー、そして、おしかけ丁稚奉公先となる中都市地主の家での運転手としての生活とその周りの人達、政治家など。。
いろいろな立場の人が出てくるからさすがインドだけど、このブログを読んでいるあなたなら、リッチな地主の息子の嫁のインド系アメリカ人の価値観が一番近いのではないかしら。いわゆる有色人種だけど、アメリカで育った人ね。
彼女の嫁ぎ先は地主で金持ちで何でも好きなことをさせてくれる。でも、この国には結局法律もなにもない。ここには長居できないわ、、(おいおい自分が事故起こしておいて)といって結局は濡れ衣を着せさっさと帰国する。夫も問題が起こってそれを自分一人で解決して進めていく力もなにもない。リッチでちやほやされるのはインドだけだからいくら嫁が出ていっても追いかけることはせずインドで金銭的にも人脈的にも恵まれた生活を選ぶ。
これ、あるあるですね。
いずれにせよこの映画を見ていると昭和40年代のヤクザ映画を見てるような勢いがある。主人公は決して、いい子じゃない。頭はいい子だが、イスラム教の同僚を陥れたり、人殺しだって、自分の村が皆殺しにあうのも黙認したり。。する。彼が悪いのではない、おおきな構造のなかに組み込まれ小悪党であり、インドがいかに病んでるのかも教えてくれる。
最後の方で、本当のスラムで、この主人公が、歯抜けた最下層の頭のおかしいおじさんと、パンツを脱いで笑うシーンがすごい。真面目にやってるんだけど狂ってるこの空気に2021年のインドを感じる。
SDG? 何寝ぼけたこと言ってるんだ?金持ちの戯言はききたくないよ。という叫び。
この映画は彼が中国の指導者に手紙を書くことから始まり終わる・・・
日本人は別でしょ?なんて戯けたこといってないで、もしあなたの肌の色が、黄色か、茶色なら必見すべし。名誉白人なんかもありえない。この映画を見た後はハリーもメガンの人種差別なんてどうでもよくなる。
NETFLIX 『ホワイトタイガー』
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