先日は雪の中、ほぼ20年ぶりのロダン美術館へ。(もちろん作品を見たいのもあるけど、美術館がハンディキャップ施設対応をしてるかの確認も一応。。)
ロダン美術館
実は数年前にカミーユ・クローデルのBDを読んでて彼女と弟のポール・クロデール(あの関西日仏学館の創始者で、彼こそ19世紀末にジャポニズムの宣伝を初めてしたフランス人のひとりです)またもっと前には彼女の映画も見てて、とりあえず最期、家族とも離れ、ひとり才能のある女性が施設で狂い死にしたという事実を知ってから、いちゃいちゃの天才彫刻家だけではなく、才能のある女性の人生を潰しまくってなりたつ天才の作品をもう一度違う目で見ておきたいという気もあったのです。
いや、もしかしたら彼はそんな気はなくて彼女が不幸にも天才彫刻家と出会ってしまい芸術的刺激を受けまくって自らの才能の華をさかせたあと、社会が破滅へ追い込んだのか?もしかして自分から自滅していったのか?わからないけど。そういうことを考えながら。 Varenne駅におりたったのでした。
入口の通りはあの3つ星レストランのアルページの真ん前。7区といえば非常にシックな地域。ここはサルコジー時代に一躍法相にまでのぼりつめた成り上がりの星、ラシダ・ダティが区長を務めるパリの中にあって喧騒や猥雑さのかけらもない非常に官僚的で人気のないクリーンさが漂います。
美術館はもちろん国立美術館なので障がい者対応の認定マークつき。4つの障がいも大丈夫ということ。ほほ。やるじゃないの。さすが、本気の美術館ねと、でも、、、一番近い地下鉄の駅には悪いけどエレベーターなかったんだけど。。。。。
まず最初はお庭。
考える人、地獄門、カレーの市民、3人の影。(同行の四方さんによると地獄門のオリジナルのひとつは松方コレクションとして日本にあるとか)
世界中にレプリカがあるので見慣れた景色ですが、よくよく見ると本当は怖い考える人。そして本当は怖いすべての彫刻。
もともとアトリエなので試作品からいろいろ展示してあるのですが、だんだん見てみると、なんなんだろうなんなんだろう?この見過ごせない感じは。。
残るのです。心に。おかしい?こんなはずじゃなかった。何を見てるの?どこを見てるの?
露骨すぎ
もしかして、えぐりだしてる?
ここまで誇張する?こんなに見えるの?
異型との境目?にいる?
みたいな。だんだん。。。
そして見終わったあとの見てしまった感。いや見透かされてしまった感。。官能的?と言って片付けるには言葉が足りなさすぎる。
芸術家って何かを表現したいのでしょうけど、彫刻家は、画家のようにそれを2次元の絵で見せるのではなく、3次元で見せるところに直接的すぎるんです。影も見えるし、存在がみえる。3次元であることがもう具現化されすぎててグロテクスさの居心地の悪さと良さのあい
例えば必要以上に大きな顔や、必要以上に盛り上がったお尻、必要以上に大きな腕や手。明らかにプロポーション的には悪いのに、この人物像にリアリティを見出してしまうこの妙さに怖さを感じずにはいられません。
私は美術のことはわからないのですが、予備知識なくなるべく量を見るように、展覧会には足を運ぶようにと思ってる人ですが、ロダンほど、時間を経て改めてみてイメージが変わった人はいません。
若い頃読んだ本や映画を、少し経って読み直したり見直したりして、印象が変わるあの感じです。
カミーユ・クロデール
今回は友人の展覧会のためにパリへ弾丸でいらしてる京都のお友達の四方(よも)さんとご一緒に。ありがとうございました!!
ロダン美術館
Musée Rodin
住所:
79 rue de Varenne, 75007 Paris
最寄り駅:
メトロ13番線 Varenne 駅
メトロ13番線 Saint François Xavier 駅
開館時間:
火~日曜 10:00~17:45
※水曜は20:45まで
閉館日:
月曜日、1/1、5/1、12/25
サイト:
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