2年ぶりにVinexpoParisが2月14-16日にパリ市内のベルサイユ門展示会会場で行われました。
もともとVinexpoはボルドーが発祥で後に中国や東京でも開催されるようになりましたがパリバージョンが始まったのか2020年で本当に今回は前回のロックダウン直前から2年ぶりの開催だったのです。(コロナ直前だったのを思い出す)
そういうこともあり、ほぼ同窓会というか、来訪者、展示者の顔からも緩い笑顔がこぼれますが、さてどんな感じだったでしょうか。。
パンデミックの終わりを告げるワインの世界的な展示会
出展者の規模から。2,864の出展者と25,739人のアルコール飲料のプロが入場。2万人レベルのイベントって久しぶり。。
来訪は109か国から、ベルギー、英国、イタリア、オランダ、米国からが最も多く、中国人やアジア人のいないVinexpoはほぼ私の知っている20年以上前の雰囲気を伺わせました。もちろんこれは段階的な再開なのでまた来年は違う構成になるでしょう。
訪問者の8割が購入目的(商談目的)で輸入や流通業者が51%、ワイン屋や教育者、メーカーなどが32%、ホテルやレストラン・カフェ関係者が17%の分類となりました。みなさん買う気満々ですね。久々の展覧会ということもありほんとうにワクワクしてました。
フランスワインビジネスのリアル
ワインスピリッツの輸出業者連盟(FEVS)の年次報告書によると、2021年の輸出売上高は155億ユーロで、前年と比較して28.3%増加。量では、これは10.6%増の2億250万ケース(12ボトルまたは9リットルのケース)に相当。量より金額が増えているということはフランスのお得意な高級品が多くでたことです。品質改善に頑張ってきたせいかと言えるでしょう。こちらで見るようにフランスの輸出主残業航空機産業に次ぐ第二の輸出産業であることを示しています。
French wine export hit new high in 2021According to figures released by the Fédération des Exportatewww.thedrinksbusiness.com
そして何よりも、輸出高ではシャンパーニュがダントツでトップ。アルコール輸出の33%の売上はシャンパーニュが稼いでいます。
輸出先は1位がアメリカ2位が中国3位が英国の順。アメリカの貿易戦争も一息つき、(トランプによる高関税・エアバスvsボーイングはまだ解決してない)そして、中国の貨幣である元の価値が10%上がったことによる消費者の割安感も後押しした模様
(やっぱりフランスって軍事産業の輸出国なのですね。そして、それに次いでこのようなリュクスな贅沢品で目をくらますという、、。。ひとりごとおわり)
とはいえここまでイケイケではありますが、2021年の収穫は春の霜によりあまり振るわず、2022年はガラスや運賃の高騰などロジスティックスの問題が不透明です。。
フランス人は何を飲んでいるのか?
フランス国内はあいかわらずワインを一番良く飲みますが、ビールやシャンパーニュ、カクテルや蒸留酒も比較的バラエティ豊かに飲んでいるのもたしかです。いつか、、、この中に日本酒も入ってくれ!・・・
今年の特徴は?
さて、私の感想としては!やはりアジア人がいないのが寂しかった!
あとはやり、ワインの世界はもちろんもうすでにサステナブル農業がかなり前から行われているのですが、その分の価格上昇と高品質化がだんだん実ををむすんできた感じです。
その流れでやはりアルコールゼロのシャンパーニュなども数社出ておりました。
そして今回非常にびっくりしたのがやはりミクソロジーのブース。スピリッツ蒸溜酒とはワインは文化が違うのですが、スピリッツブースが非常に活況を浴びていました。
ワインのブースはどちらかと言うと、伝統のワイン作りの家族たちがワラワラ産地から出てきて高齢のお父さんお母さん中心に、息子や娘がスタンドで対応しているというよくあるパターンでしたが、スピリッツは都会的な短髪のスカッとした若いお兄さんたちが英語フランス語まぜスマートに対応。。
今回日本酒勢は出展がなかったのですがJSSスタンド(日本酒造組合中央会)の焼酎泡盛部はありそちらでスピリッツブームを予感するかのように原液でサービスなさってたのが印象的でした。
Japan Sake and Shochu Makers Association | JSSLearn more about Japanese sake and shochu through the Japan Sjapansake.or.jp
もちろん、醸造酒と蒸留酒は文化が違いますし食中酒と食前食後酒の違いもあります。若者の食前酒(アペリティフ)をターゲットにクラフトのジンやラムやメスカルやフランス産ウオッカなどのもりあがりは輸出で成功している醸造酒と対象的に、フランス国内での盛況を予感しました。
実際、フランスでは広告が非常に厳しく規制されていたり、若者のアルコール離れの現状もありますが、それをあざ笑うかのようにメーカーの頑張る姿に勇気をいただきました。
これからもますます、インスタ、インフルエンサー、音楽、ミクソロ、などのキーワードは今後も若者を魅了するでしょう。
やはりワインのお祭りというのはフランスの誇りでありますので政治的な匂いもします。。会場に大統領候補として名を挙げたバレリーペクレス候補も来ていましたが私はお会いできず。コロナ明けを予感させる、それでも一番人間的な産物の博覧会でした。
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