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海外日本酒事情:見た目が10割の原則

私が日本酒の仕事をパリでしている。。というと皆さんがよく「日本酒ってよく売れるんでしょ」と言われるのですが、、実際、とても興味のある人たちと全く興味のない人たちがパカんと別れてまして。。わさわさ売れている。。という感覚ではないのが私や他の業務店仲間の皆さんの感想なんですよね。

でももちろん、売れてるところでは売れてるのかもしれませんけど。。つまりスポットでボツボツ出ているという感じなのです。

じわじわ伸びている日本酒輸出

SNSとギフト市場で“映える日本酒”が増加中

ただやはり海外日本酒販売の大きな需要はギフトにあると言っても過言ではありません。つまり「変わった物、珍しいもの」扱いの段階です。特に欧州では皆さんもご存知のようにまだまだ一般的には日本酒はまだまだですので、伸びしろがあります。

たとえ、日本のメディアが「日本酒がパリで流行っている」と言ったところで、パリの普通のカフェで日本酒はまだ出されてないし例えば、ラム、ウイスキーのページはあってもSAKEと書いてあるメニューの置いてるレストランもカフェも全体からすれば数%、いや0,数%にすぎないのです。


しかし年々日本酒の輸出は増えているし、海外でも日本酒は造られています(海外で造った日本酒には厳密には日本酒にはカウントされないですが)
例えば現地でのシャンパーニュがスーパーで売られる平均価格が30-35ユーロとした場合、日本酒で30-35ユーロ(こちらでは5000円から7000円の感覚)(日本の店頭価格では大体1200円ぐらいの商品レベル)の商品をいかに魅力的に見せるかが勝負になってきます。→こちらが中価格帯 もちろんプレミアムの世界も存在します。

言いたいことは、飲んだこともない、蔵名を聞いたこともない、味もわからないものに、この疑い深いフランス人が30ユーロもサッとお金を出しますか?

ってことなんですよね。フランス人を知ってる人ならわかると思うけど、95%あり得ないと思うのですよ。地域差はありますけどね。多分説明も理由もなければあり得ない話です。現場にいるからわかります。

たとえ、その5%にリーチしたとしても、日本酒とウイスキーは全く醸造酒と蒸留酒で違うものなので保存や使い方などは全く別であることを意識しないといけません。このような酒販に携わっているものならほぼ、いろはのいのような初歩的なことをまだまだ一般のフランスの方はご存知ないのででそこから教えていかなければいけないということも2025年7月の段階でもまだまだ認知されていないのが現状です。

じゃ、どうやって買ってもらおうか。。と色々考えた時に、とにかく知名度もない、何が入ってるかわからない?そういう未知との遭遇で何が基準になるかって。もう一つだけななんですね。ルックス。なんです。ってことで海外向けラベルについて色々紹介してあるサイトがありました。

21 Examples of How Sake Packaging Design Impacts a BrandThere are many different ways to package sake, and each way cwww.paropop.com

Paropop というアートとパロディのスタジオのブログですがぶっ飛んだ?日本酒のラベルを集めているページです。

「わからないものは見た目で選ぶ」という事実を無視できない

このサイトでできた21本の日本酒ボトルを並べてみると、日本酒と思えない日本酒がずらり。。最初に伸びる手は“味”ではなく“ラベル”ってことがよくわかりますね。とりあえずこんなボトルが店にあったら絶対取ってしまう。たとえその時にお酒を買おうと思っていなくても、「あ、かわいい」「めずらしいねぇ」と注目されることは間違い無いのです。わからないものはジャケ買い。それって、レコードでもワインでも同じでしょう?日本酒をベースに持たない国の人たちにとってはもうそれは基礎の基礎。私たちが思っている以上にジャケ買いは正義なのかもしれません。

EC でも同じ。検索結果のサムネイルは 1 枚。ここで落とされれば在庫は動きません。

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神社のお水みたいなお酒

ラベル(User Interface)が良くないと信頼関係を築けない

100回言います。見た目が10割です
読めない漢字をドーンと並べるより、ひと目で意味がわかるのほうが「これ、いいかも」と思わせてくれます。たとえば この中ではSogen Omachi。ボトルに巻いた縄モチーフだけで「手仕事=丁寧に造ってます感」が伝わりますもの。文字を読まずに信じたくなる。もう外国人は全員文盲だと思ってください(あ、これって言っちゃいけないのか?)

縄に何か意味があるのかと思わせますね

習字の漢字ラベルも美しいのですが、そればかりのなかでそれを選ぼうとは誰も思わないですよね。。だって、漢字読めない人相手の商売なんですから。。

とはいえ過大包装は誰も幸せになれない

お米から、燃料高とリサイクル需要の高まりで、ガラス瓶の仕入れ値が毎年アップされており、箔や特殊インク、樹脂キャップまで全てが高騰しまくっているので、過大包装では誰の幸せになれないのがだんだんわかってきました。シャンパーニュのルイナールも2020年からの新しいパッケージでサステナブルをアピール。

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Ruinart のダンボールコクーンパッケージ

Maison Ruinart ‘Second Skin’ A Sustainable Luxury Packaging Story – Paper and Packagingpaperandpackaging.jamescropper.com

どこで塩梅を見つけるか

「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」―漱石の嘆きは、いまのラベル設計にも響きます。見映えを突き詰めれば環境が泣き、エコを優先すれば華やかさがなくなる。どちらかへ振り切れば、必ず角が立ち、流され、窮屈になる。しかしバイヤーも飲み手も「美しく、軽く、そのまま捨てても罪悪感のない」ラベルを求めて衝動買いから常連になってと期待するメーカー。

ええ塩梅とはよく言ったもので、そんな折り合いが大事なんだなと。。まぁ色々こういう過剰なものを見ると思わざるを得ませんね。過剰なものは淘汰されます。それは多分物事の本質かと、それでも消費者のために限られた条件の中でメーカーは毎日頑張ってらっしゃるのでほんと両者の意見の橋渡しをしている身として。。

また身につまされながら。。今日も日本酒のために乾杯しましょう。

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