映画『スティング』──
私的なレッドフォード追悼週間ということで、改めて『スティング』を観てみました。(そこまで思い入れがあったわけじゃないですが、、、まぁあの音楽をラジオでふときいたものですから。。
色褪せないとはまさにこのこと。いやー、本当に偉大な映画人だったと思います。これからキャリアを広げてサンダンス映画祭を立ち上げたことを思うと、その先見性と影響力の大きさにはただただ敬服するばかりです。
幾度観ても新しい発見がある映画
この映画はあまりにもクラシックで、もう何度も観ているのですが、それでも観るたびに新しい発見があります。
たとえば、冒頭でレッドフォードがテーラーに行き、茶色のストライプのスーツを新調する場面。あれはほとんど漫画のようで、手塚治虫の「ロック」が着ていそうなスーツです。普通の人には絶対似合わない、まさに詐欺師にしか似合わない衣装。そういう遊び心のあるディテール最高っす。しかもあの時代だからか、女性は裸で踊らされてるのですよ。いまじゃ、コンプライアンスでNG案件山盛り。おもしろいわー。

観客を“騙す”けど観客は答え合わせをしながら、小物の詐欺師を応援するという構図
通常、役者は観客に対して「虚構」を演じ、観客を一時的に騙しているわけです。けれど『スティング』は違う。ここでは観客を相手にしているのではなく、仲間を殺した男ロネガンという大物を騙す小物の詐欺師軍団の物語なのです。
つまり、役者が演技をしているようで、実は「演技者が演技者を騙す」という多層的な芝居をしているというか答えは与えられているのです。観客にはその裏の仕掛けが見えないように、しかし同時に“演技の中の演技”を垣間見せる必要があるのです。
だからこそ、私たちはニューマンやレッドフォード率いる詐欺集団を応援しながら、いつバレるかという緊張感にハラハラ・ドキドキする。観客は種明かしを知っている部分もあるから、なおさら「答え合わせ」に夢中になるのです。
ニューマンの作業着、レッドフォードの疾走
そうやって観ていくと、やはり普段とは違う演技の妙が際立ちます。レッドフォードが颯爽と走る姿、ポール・ニューマンのマルセル髪型にツナギの作業着──正直、あまりにも格好いい。トム・クルーズが走りたがるのもこれからなのかしら。。。
アメリカではパスタ瓶の顔になってしまいましたが(笑)、やはりこの人こそ真の「男前」。そしてレッドフォードも、おじいちゃん顔だったよね。。。
それにしても敵役の金持ちさん、ほぼカジノ中毒。どこかの製薬会社の御曹司のような


軽妙さとスタイルが歴史に残る名作
結局のところ、『スティング』ほど軽妙でスタイリッシュ、そして音楽まで歴史に残る名作はそうそうありません。ファッション、30年代シカゴの街並みのセット──どれも一級品です。ほんと、ユニバーサルスタジオのセットそのもの!って感じなのよね。町並みが。。それがまた渋い。
この映画を観ると自然と、『ストリート・オブ・ファイヤー』の熱気や、『ブルース・ブラザーズ』の『ホーム・アローン』、さらにはシカゴ出身のチャーリー・カークのシカゴなんだよね。。。1回だけ行ったことあるんだけど。NYの次に気になるところ。
30年代(舞台)と70年代(製作年代)が交錯するかのような時代感覚。たまにはいいですねー。クラシック映画。



