カンヌの抜けるような青空と輝く地中海、そして世界中から集まる映画関係者たちのただならぬ熱気。2026年5月、第79回カンヌ国際映画祭の期間中に開催された一大イベント「JAPANESE NIGHT」の会場に足を運びました。このイベントは、俳優でありプロデューサーでもあるMEGUMIさんが主催し、日本映画と日本文化を世界へ直接発信することを目的としたプロジェクトです。今回私は、2024年の立ち上げ当初からこの素晴らしい取り組みに協賛し続けている「月桂冠」のスタッフの一員として、現地で日本酒を振る舞うお手伝いをしてきました。この記事では、カンヌという世界最高峰の舞台で日本文化がどのように受け入れられているのか、現場のリアルな熱気と共にお届けします。

1. 映画祭の熱気漂うカンヌへ!進化する「JAPANESE NIGHT」の意義
結論として、「JAPANESE NIGHT」は単なる華やかなパーティーではなく、日本映画と文化を世界へ繋ぎ、実践的な国際ネットワークを構築するための極めて重要なプラットフォームに育っていました。
なぜそう言えるのか、カンヌの街を歩けばその理由が肌で理解できます。映画祭期間中のカンヌは、パレ・デ・フェスティバル周辺のレッドカーペットにドレスアップした人々が溢れかえり、巨大なスクリーンに映し出されるスターの姿に歓声が上がります。また、日が落ちるとビーチには「シネマ・ドゥ・ラ・プラージュ」と呼ばれる特設の野外上映会場が組まれ、波の音を聞きながら映画を楽しむという特別な空間。街中を見渡せば、優美な佇まいのホテル・カールトンや高級ブティックの前に黒塗りのVIPカーが列をなし、世界中から膨大な数の映画作品と業界関係者が集結していることがわかります。この巨大な映画の祭典の中で、ただ作品を持ち込むだけで日本映画の存在感を示すことは非常に困難です。だって地味なんですもの。。。
そこで、海外での日本映画の立ち位置に危機感を抱き、存在感を高めたいという強い思いから、俳優・プロデューサーのMEGUMIさんが発起人となって2024年にスタートしたのが、このイベントです。初年度には俳優の斎藤工さんや複数の監督が自らプレゼンテーションを行い、海外の映画業界関係者と直接言葉を交わす場を設けました。賞を狙うだけでなく、持続可能なビジネスとして世界市場に食い込むためには、こうしたネットワーキングの場が不可欠なのでしょう。先見の眼のMEGUMIさんすごいなと思いました。
2024年からその取り組みは着実に実を結び、2026年には名称を「Japan Night」から「JAPANESE NIGHT」へと改め、さらに規模を拡大してカンヌでの開催が続いています。映画関係者をただ集めて終わるのではなく、日本のクリエイターたちと海外のプロデューサーや配給会社が直接繋がり、未来のコンテンツを生み出す場を作るという、非常に戦略的で意味のある取り組みだと言えるでしょう。
2. 舞台は名門「ホテル・マルティネス」。豪華絢爛な交流の夜

格式高い「ホテル・マルティネス」のサロンで開催されたこの夜は、日本のコンテンツに対する海外からの高い期待とリスペクトを同時に感じることができる、圧倒的な熱気に包まれた空間でした。

イベントの舞台となった「ホテル・マルティネス(Hôtel Martinez)」は、カンヌのクロワゼット通りに面する最高級ホテルの一つであり、映画祭期間中は多くのハリウッドスターやセレブが滞在することで知られています。白亜の美しい外観と、入り口周辺に集まる多くのファンや報道陣、そして交通整理の警備員が配置されるほどの厳戒態勢が、この場所の特別感を物語っていました。
ホテルのエントランスを抜け、会場である「SALON LE FESTIVAL 1」へと向かうと、「JAPANESE NIGHT」と力強く書かれた洗練された看板がゲストを迎えてくれます。会場に入ると、そこはすでに世界各国から集まった映画業界関係者で熱気を帯びていました。単なる立食パーティーではなく、ワークショップや交流会も組み合わせた形式となっており、レッドやブルーのライティングに照らされた会場内で、参加者たちが真剣な眼差しで情報交換を行っているのが印象的でした。
特に目を引いたのが、「JAPAN Country of Honour 2026」と掲げられた大きなフォトパネルの周辺です。そこには日本が誇る盆栽の美しい写真とともに、協賛企業のロゴが刻まれていました。パネルの前では、黒のスタイリッシュな衣装とハットに身を包んだ斎藤工さんと、華やかな着物を着た小さな女の子(あとで知ったのですが、、あの女の子が日本で有名な永尾柚乃ちゃんだった)がいたり。。、日本発のコンテンツへの注目度の高さが視覚的にもはっきりと伺えました。
3. 世界を魅了する日本酒ブースでのお手伝い体験記
日本酒ブースでの日本酒の振る舞いを通じて、日本の伝統である「SAKE」が、映画と同じように言語の壁を軽々と越え、人々の心を繋ぐ強力なコミュニケーションツールであることを確信。
日本酒協賛ブースは、華やかな会場内でもひときわ洗練された和の美意識を放っていました。重厚感のある「月桂冠」の大きな菰樽や木製の升、そしてそっと添えられた金色の折り鶴が、海外ゲストの視線を釘付け。やはりこういうところではモダン酒よりもガッツリ、京都らしいプレゼンが効果的。提供されたのは、月桂冠の最高峰純米大吟醸「鳳麟(ほうりん)」。スタッフは黒地に赤文字で「ジャパニーズナイト」とプリントされた法被(はっぴ)を身にまとい、世界中の映画人ゲストをお迎えしました。
提供方法は伝統的なお猪口ではなく、あえて大ぶりのワイングラスに日本酒を注いで提供。さらに、ゴールドのラベルが美しい「鳳麟」のボトルを、氷がたっぷりと入った透明なガラスのボウルでキンキンに冷やしておくことで、シャンパンや白ワインに親しむ海外のゲストにとっても、視覚的・感覚的にアプローチしやすい工夫をほどこしました。ただ毎回、、「アルコール高いのでしょう?」と聞かれるので「白ワインと同じ醸造酒です。フルーティで奥があるのでとりあえず飲んでみてください。繊細ですから(Just like white wine, this is a fermented beverage. It’s fruity but layered with depth. It’s quite delicate, tast yoursefl first)」と何回叫んだことか。。。
とにかく横にいた白ワインコーナーより日本酒の方が忙しかったのはびっくりしました。つまり日本酒のほうが白ワインより人気があったのです・・・え?まもちろんここが日本テーマというのもありますが。それを全部含んでも今回の盛況ぶりは3回目の私もびっくりしたのでした。。(途中で忙しすぎてマルチネスのスタッフが消えたので、京都からきた社員さんと私が一生懸命サービスしてしまいました)

2024年のイベント立ち上げから継続して協賛している意味は非常に大きいと感じます。文化の発信は一過性のものでは定着しません。3年目にしてやっとすこしだけ人々の意識が動いた気もしました。それは映画、日本酒両方に関してです。


カンヌ発の国際交流イベント「JAPANESE NIGHT」は、MEGUMIさんの強い情熱と、月桂冠をはじめとする多くの企業のサポートによって、日本文化の世界展開における確固たる基盤へと成長を遂げています。
日本のコンテンツが世界で戦うためには、個々の力だけでなく、こうしたオールジャパン体制でのプラットフォーム作りが必要不可欠であると思いました。つまり、異業種との協業です。映画を通じて世界に訴えかけ、日本酒を通じて心を通わせる。「JAPANESE NIGHT」が今後さらに発展し、ここから世界を驚かせるような新しい日本のコンテンツや才能が羽ばたいていく未来が、今から楽しみでなりません。
ちなみに・・・
「シネマ・ドゥ・ラ・プラージュ(CINÉMA DE LA PLAGE)」での上映作品は以下の通りです。

- 5月13日(水) 『トップガン(TOP GUN)』 / トニー・スコット監督(1986年・アメリカ)
- 5月14日(木) 『新幹線大爆破(SUPER EXPRESS 109 / SHINKANSEN DAIBAKUHA)』 / 佐藤純彌監督(1975年・日本)←サンドラ・ブロックとキアヌ・リーブスのSpeedのネタ元の映画ですね。
- 5月15日(金) ※ワールドプレミア 『Les Caprices de l’enfant roi (Molière, Cyrano and the Young King)』 / ミシェル・ルクレール監督(2026年・フランス)
- 5月16日(土) 『男と女(UN HOMME ET UNE FEMME)』 / クロード・ルルーシュ監督(1966年・フランス)
- 5月17日(日) 『大統領の陰謀(ALL THE PRESIDENT’S MEN)』 / アラン・J・パクラ監督(1976年・アメリカ)
- 5月18日(月) 『ビバ!マリア(VIVA MARIA!)』 / ルイ・マル監督(1965年・フランス、イタリア)
- 5月19日(火) 『大地と自由(LAND AND FREEDOM)』 / ケン・ローチ監督(1995年・イギリスなど)
期間中私はお酒に必死で映画は見られなかったのですが、Quinzain des cineaste は当日券もあったので次回は部外者ですがみにいきたいなとおもっています。会期中は外国人も多いので英語字幕が基本。


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