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いろいろ考えさせられたフランスの高級老人ホーム事情 

先日、調査の仕事で高級老人ホームを訪問する機会がございましたので、見てきたこと聞いてきたことを少し事情をお話したいと思います。

合計でパリ市内4軒ほどまわっったのですが、びっくりすること多かったです。

老人ホームとは

老人ホームとはやはり自立ができない状態になったご老人が入るところで、自立はできるが不安であるとかそういう方は、老人ばかりの集合アパートなどに住むことが多いようです。(実際併設しているところもある。食事がいっしょだったり、お楽しみ会がいっしょだったり)

日本でも老人ホームは大手のデベロッパーや保険会社が経営していることが多いですがこちらは 企業では、OrpeaKorian の大手が独占状態を占めておりもちろん公立もあります。上記のこの2つの企業はなかなか野心的でヨーロッパやブラジルに進出し老人ホームを建てており、実はこの2つも軍事産業やホテル産業につづく隠れたフランスの優秀企業です。

https://investir.lesechos.fr/cours/action-orpea,xpar,orp,fr0000184798,isin.html

https://investir.lesechos.fr/cours/action-korian,xpar,kori,fr0010386334,isin.html

こちらの老人ホームは前述のように、Ehpad (Etablissement d’Hébergement pour Personnes Agées Dépendantes) (アーパッドと発音します) 自立できないご老人が住む施設という意味で80人の入居者に対し看護師さんは1名。お医者さんはだいたい個人でかかりつけ医が存在するのでよほどの用事でないと施設にはやって来ません。(死亡証明だけと。。)あと、マッサージやリハビリの療法士さんなどは頻繁にいらっしゃるようです。

話を伺ってると、日々のお世話の介護士は1人に付き10人ぐらいの担当といった感じでしょうか。もちろん程度にもよるのでしょうが、皆さん大変忙しそうになさってました。

ehpad
お楽しみルームで女子会するおばあちゃん
さすがのバリアフリー

ストックが。。

施設長は経営のプロ

そしてびっくりしたことは施設長がすべてビジネススクール系の方ばかりだったということです。こういう感じは欧州のサッカーチームの監督が背広を着てる感じにもにてました。

日本ではそういうのはないですよね。去年夏に私がうちのエトワールサービスに関してご案内させいただいた京都のそんぽケアのホームの施設長さんは介護士のプロだったし、私のいとこも老人ホームの施設長をしているのですが、彼は薬剤師。なんとなく医療関係の畑にずっといた人なのでそんなもんかなと思ってましたがフランスの施設で訪問したところはすべてみなさん経営者でした。ビジネスですねー。。入居者の名前をちゃんと覚えて、マダーム、ムッシューと話しかけてらっしゃる方もおられましたが、まったく冷たい感じで経営だけしてる。という感じの施設長もおられました。まぁ、、ほんとに人それぞれですね。

(毎回お会いしてどういうキャリアなんですかと聞くのも変でしたがとても興味があったので聞いてしまいました)

ここはホテル??

今回パリでご紹介するのはグルメな高級老人ホーム。こちらのホームは何度看板の下にGault Millot 2019 認定のレストランを備えていると言うのが自慢! (毎日フランス料理なんか食べたくないよう。。。と心の声)でも実はこの看板のある老人ホームだんだん増えています。。そういう傾向にあるのかもね。

こちらではご家族が来た時にはお一人様32ユーロでゲストにもお食事を出すそうです。ひえええ。もう高級レストランすね。やっぱり究極のサービス業は老人ホームにあったのか。。と。

ehpadentrance
エントランス
Gault Millau!!!
どこの高級レストラン?

介護士資格は?

介護士さんは皆さん一年の教育を受けてなられた方です。こちらの老人ホームには看護師さんはほとんどいらっしゃいません。看護師助手であるAide Soignanteの資格の方がいらっしゃるのかなと思ってたのですが看護師助手は病院で医療行為の助手を行うためであり介護はまったく別とおっしゃってました。介護士さんはまた、訪問介護でもひっぱりだこなので結構この資格は人気があるようです。日本は介護の世界はいろいろな資格がいっぱいありますが、フランスは結構フラットです。ちょっとびっくりしました。わたしも移動介護従事者(ガイドヘルパー)の資格を持っていますが、全身性、視覚、知覚にわかれており実は何回も試験があったり、ケアマネージャーも介護士も全部違う資格で日本の介護周りの資格はほんとうに難しいなと思っています。

気になる料金は?

これが一番聞きたかったのですがだいたい部屋の大きさによって

違うのですが1ヶ月3000-7000€。3000€ぐらいなら日本と同じですね。ホテル一泊1万円ぐらいとおもえばそんなもんでしょうか。もちろん美容師さんやネイル別料金。お楽しみ会の折り紙教室は料金に含まれてますけどね。もうホテル産業なんですね。こういうところって。

ほんとうに最期はアフリカの象のようにしらないうちに地味に逝きたいのが私の理想です。

なんとなくホテルのロビー

目立つ合理性

ほんと。フランスのシルバー産業のモデルホームを数件見ただけですが、現場の作業はすべてアプリ化されており、ロボットこそいなかったもののかなりの合理性を感じました。手作りだの手書きなのそういう暖かさは、あまりないです。誰もそれを求めてないのか。。

ホームはどこでもそうですが、一般公開はしておりませんのであしからず。やはりプライベートなお住いになってる空間に入っていくわけですから、写真も控えめです。。

次回は最近の傾向とフランスのシルバー産業について少しお話ししたいと思います。

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