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パリの日本酒って? L’actualité du saké en France

今日はSake Samourai(日本の酒造組合が海外でお酒を広めるためにつくられた)という称号をもった仏人のシルヴァン・ユエさんの日本文化会館での講演会及び試飲会に行ってきました。これはフランスの一般消費者に酒の理解を促すための講習会及び試飲会で対象はレストランさんとかじゃなくて普通の人。土曜日の昼間にエッフェル塔横の日本文化会館で熱気のある集まりでした。(ちなみに日本文化会館の前は京都広場という名前)

彼が言ったことをとりあえず忘れないため。

※フランスではまちがったイメージのSAKEが90%以上。SAKEはスピリッツでもなく食後酒でもない。

※SAKEは醸造酒である。とはいえビールでもワインでもない。SAKEはSAKEというカテゴリーでいい。

※酒の材料とは米と水と技である

※酒にはアペラシオン・ドリジーヌ・コントロレはないが、作り方の妙意で多様に出来栄えが変化する。それを味わうのが酒のおもしろさである。

※酒の温度の表現はまるでポエムだ。

Tobikiri kan : “Saké chauffé au point de nous faire partir pour de bon” (égal ou supérieur à 55°C)
Atsu kan : “Saké chauffé vraiment chaud” (50°C)
Jo kan : “Saké chauffé à température supérieure” (45°)
Nuru kan : “Saké chauffé tièdement” (40°C)
Hitohada kan : “Saké chauffé à la température de la peau” (35°C)
Hinata kan : “Saké chauffé par les rayons du soleil” (30°C)
Jo on : “À température normale” (ambiante) (20°C)
Suzu hie : “À la fraîcheur rafraîchissante” (15°C)
Hana hie : “À la fraîcheur d’une fleur” (10°C)
Yuki hie : “À la fraîcheur de la neige” (5°C)

※合わせる料理はワインよりバラエティがある。(酸と合わせるのは日本酒だけ、ワインは酢の物などとはあわない)

いろいろ異論はあるかもしれませんが、わかりやすいステファンの講演会でした。

もともとワインを売っていた私が、今なぜかパリの土地で日本酒の仕事?ほんと人生ってどう転ぶかわからない。。ただこうやって2つの国で2つの商品を2つの側面からを経験してる私から見て今のパリの日本酒キラキラブームは1990年代の日本のワインブームと少し似ているところがあります。あの頃の日本はまだ景気もよく、当時はなぜかグラン・クリュの上等の赤ワインだけが売れていました。オック地方だのプロヴァンス地方だのは全く見向きもせず、ボルドーやブルゴーニュのグラン・クリュしか売れませんでした。びっくりするような若い人がはじめての赤ワインとしてグラン・クリュを飲んでいました。(黒猫とかブルーナンとかマテウスロゼもいたけどね笑)

それからいろいろな味を知りたい層が現れ、カリフォルニア、オーストラリア、チリなども輸入が増え都市を中心にワインが一般化されていきました。一般化と言う、民主化でしょうか。

いまのロンドンもパリもそんな気がします。消費の第一段階で、おしゃれで味覚に敏感な人たちがハイエンド日本酒の面白さに気づき日本酒グランクリュを嗜み始めています。これはとても素晴らしい一番人間の保守的な味覚の扉を開けつつあり喜ばしいことです。

ただ、次のステップとしての民主化がどういう形で行われていくのか?ずっとこのような状態なのか?というのが私の大きな楽しみでもあり一応、認定の酒ソムリエとして観察していきたいと思っています。

日本酒にしろワインにしろ「工業製品」ではなく「農作物からの加工品」ですからどうしても「土地」が応えてくれる長いスパンのビジネスです。国の農業政策も関わってくることもあるでしょう。いろいろな視点からもやはりアルコールというもの関わってきて今日はついつい飲みすぎましたね。またコツコツと情報のアップデートは続けなければ。。ですね。

 

 

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