前回のポストに引き続き今回はマルセイユにあるホテル・ルコルビュジエについて詳細を少しばかり。
遠目から見学するだけではなく、泊まれるとなれば俄然興味がわきますよね。しかもお安ければ・・・ホテルのお部屋は全部で21室、お値段はおふたりで75€から。とはいえ16平方メートルの長細いCabanと呼ばれる部屋ですがユニットのひとつとして建築好きの方からすると一番この建物のコンセプトが感じられて良いんじゃないかしらと思いますが。(ご予約はホームページでお願い致します) もちろんオプションツアーは弊社で。
実は2012年の2月に大規模な火事があり2012年の9月の時点でも9部屋がまだ修復中でした。しかしオーナーの努力でマルセイユの仕事ペースとしてはかなり早急に修復がなされ(実はこの建物コンクリの塊に見えますが、実は内装はかなり木の部分が多いのです)今はもうすっかりすべて元通りになりました。が、今年の2月の時点ではまだ有名な色つきの箱窓が黒く焦げている部分がありました。
またこちらの中に住んでる方のアパート見学もありますので受付で頼んでみられてはいかがでしょうか。住んでる方も実は建築関係デザイン関係ジュエリー関係など、意志を持って、この館に住んでいる方ですので彼らのオタク拝見もなかなか楽しいです。(おひとり様5€仏語のみ・・・)
こちらのcité(シテ・街という意味。一般的には集合住宅)はBlvd.ミシェレの大通りから見えることは見えるのですが、4ヘクタールの敷地にぽつんと絶っているので、「歩き」の場合は相当の覚悟が必要かも知れません。(バス停はあります)でも駐車場は無料だし、とにかく静か。マルセイユの街の中に居るとは思えません。『建築家の腹』という名のレストランもホテルの受付と同じフロアですのでもう中に入れば、(多少高くても)レストラン利用も便利かも知れません。
1945年から建築が始まったのですが、ルコルビュジエがあの有名な黄金比とフィボナッチ数を用いてこの住居モジュールを建てたことはもう専門家はご存じですね。(このあたりは専門家サイトでよろしく)1986年には歴史的建造物に、そして2008年に世界遺産候補としてユネスコに提出済みという、かなりの自信がうかがえます。(ただまだ認定されたとは聞いておりません・・・)。
2010年からは幼稚園も再開され、また屋上のプールや体育館の改装はパリで超売れっ子インダストリアルデザイナーのORA-ITO(オライト)というデザイン会社が請け負っています。この会社、伊藤さん?のような名前ですが、生粋のマルセイユ出身の男性です。とはいえまだ改装は終わっていません。2013年内に完成予定だけど。。どうなんでしょうか?早く頑張って欲しいものです。
とりあえず、世界の最新デザイナーホテルを期待しないでください!ファシリティとか快適さとか期待する方向けではなく、あくまでも話題作りの方向きとして、現存のコルビュジエ建築に泊まるという体験が貴重なのです。ほぼ、京都の町屋に泊まって地元の人の苦労を共にすると言う感じでしょうか。冷蔵庫のなかった時代ですので、氷扉なども体験できたり、シャーロット・ペリアンの調度物は触るななど、制約も多いです。でもここのオーナー夫妻の物好きでやってるホテルですので、そう言うことも実は考慮していただきたいのです。
ルコルビュジエに心酔する方にはおすすめですが、コンフォートを追求する方はどうぞ他のホテルいっぱいあるので、そちらへどうぞ。でもマルセイユへお越しの際は是非ともおすすめです!
Hotel Le Corbusier
280, Boulevard Michelet 13008 MARSEILLE
電話:+33 4 91 16 78 00
http://www.hotellecorbusier.com/
朝食 10€
追加ベッド 20€
赤ちゃんベッド 15€
ネット環境完備